「都市型の保育園」
京都府の住宅が密集している環境に建つ都市型の保育園である。
敷地の広さが限られているため、園舎と園庭を地上に配置しては
どちらも十分な広がりを確保することができない。
そこで、「平屋建ての園舎と屋上園庭」という構成の可能性を追求した。
結果、トップライトによる採光や高い天井高を確保し
広がりのある園舎と明るく広い園庭が実現した。
「光の家」 と 「小さな村」
保育室に、子供達が自分の家のように感じる「光の家」を配置した。
「光の家」は全て形・色・天窓の方向が異なり
保育室の中で特別な場所となる。
天窓からの光は季節や時間によって変化し
そのことに子供達が自ら気付き、仲間にそれを伝えることから
新しい遊びが生まれる。
それは観察力と感受性、そしてコミュニケーション能力を育てる空間である。
「光の家」は屋上にもその姿を現し
小さな家が芝生の上に並ぶ 「小さな村」 をイメージする園庭を構成する。
ここで子供達は 「小さな村」 の住人となり
家と家の間を走り回っては、階下の保育室を覗く家、新幹線の見える窓など
それぞれにお気に入りの場所を見つけては時間を過ごす。
「空の家」と「小さな村」はそれ自体が遊具であり
新しい遊びを想像する保育空間となる。
photo : 車田保、アーキヴィジョン広谷スタジオ